FCNTは新型らくらくスマホ「らくらくスマートフォン F-53E」を発表しました。らくらくシリーズはガラケー時代から脈々と受け継がれてきたシリーズですが、果たして本当に高齢者に易しい機種なのでしょうか。
まずは仕様を確認していきましょう。
SoC | Snapdragon 6 Gen 3 2.4GHz+1.8GHz |
ディスプレイ | 5.4インチ有機ELディスプレイ 1,080 × 2,160(Full HD+)60Hz |
メモリ/ ストレージ | 4GB/128GB(外部メモリ:microSD対応) |
カメラ構成 | 5,030万画素(広角) f/1.79 SONY IMX882 800万画素(不明) f/2.2 不明 |
OS | Android 14 |
サイズ | 151 × 71 × 9.3mm |
重さ | 172g |
バッテリー | 4,000mAh |
仕様 | ・らくらくホンセンターへの相談可 ・迷惑電話対策機能 ・らくらく迷惑メール判定 ・FeliCa(おサイフケータイ) ・泡ハンドソープ洗浄可 ・アルコール除菌可 |
まず、F-53Eとして発売するドコモが掲載している情報を確認します。
下段の緊急時ブザー、音声読み上げ、らくらくタッチの3点は前モデルから踏襲されています。使用例はあまり聞きませんが、前者2つはあると安心する機能として、日本人にピッタリだと思います。「らくらくタッチ」については賛否が分かれるところですが、誤タップしてしまいがち、正しくタップされないなどへの対策として有効な機能です。
らくらくスマホを使うのは誰でしょうか。それは「高齢者」等、またはそれに近い操作に難があり得る方です。
では、らくらくスマホの使い方を教えるのは誰でしょうか。「近親の者」もしくは「パートナー」です。
高齢者がいきなりらくらくスマホを持ったところで何も操作できません。なぜなら最初の一言目は皆「どうやって使うの?」だからです。これは私がショップ店員をしていた時に散々聞いた言葉です。また、私の親族でもらくらくスマホを購入した人がいたので教えたのですが、「何ができるの?」「これはお金かかるの?」「どう操作したらいいかわからない」と言われました。つまり「わからないことがある」のではなく「そもそも何もわかる気がない、思考停止」
ということです。
そんな状態で使い方を教えなければいけない人。触ってみると以下の画像のように普段使用しているiPhoneやAndroid端末(以降、両端末を「スマホ」と呼ぶ)のホーム画面とは全く異なります。もちろん普段からスマホを利用している人であればなんとなくわかるものの、触ってみると違和感に気がつきます。「らくらくタッチ」です。
普通のスマホのように触ってもタップできないのです。強く押すという普通の人なら面倒臭いし疲れることを
“やらないといけない”
訳です。
これ、上の画像のようなメニュー相当のホーム画面でのタップだけで良いならまだマシなのですが、文字を打つ時から何まで、何かの決定をする際は必ず必要になります。設定を変更すれば?という声が聞こえてくる訳ですが、設定を変更するにもよくわからん配置な訳です。
何を言いたかったかと言うと、結局最初に使用者に近い人が使い方を覚える必要があり、面倒臭いらくらくタッチをどうにか攻略する必要があり、その上でよくわからないUIを触る必要があるということが、らくらくスマホが誰に易しいかを考えさせられる原因な訳です。私のようなガジェットにある程度理解がある人なら微妙に問題あるけど大丈夫で済むでしょうけど、そうではない方も理解する必要があるということが、私が嫌う最大のポイントです。らくらくスマホは必要なんでしょうけどね。